第3回 おすすめ書籍 国家、国境、貨幣、すべて虚像(フィクション)

こんにちは、本日は僕が実際に読んでみて、おもしろかった、楽しかった、感動した、勉強になった、そんな書籍を紹介する第3回目です。いつもどおり僕なりの解釈と、説明でお送りします!

書籍の題名をみて僕には、私には関係ないと思うかもしれませんが、全然そんなことありません。すべての社会人に読んでほしいと思います。きっと何かの固定観念がかわります。知識を得ることのすばらしさに改めて気づかされるはず。

そして今をトキメクGAFAMの1つ、Microsoftの創業者、ビル・ゲイツも薦める1冊です。そう一流ビジネスマンも読んでいます。2011年イスラエルで刊行されて以降、全世界60の言語に翻訳され全世界1600万部を超える大ベストセラーです。ほんっっっと超おすすめです!

早速、本のタイトルの発表します。『サピエンス全史 上・下』です。

著者は、ユウ˝ァル・ノア・ハラリ。

イスラエル人歴史学者。

オックスフォード大で中世史、軍事史を専攻して博士号を取得。

現在、エルサレムのヘブライ大学で歴史学を教えている。

この本のおすすめポイントを僕なりに3つにまとめました。すべてエビデンスベースで語られていて今までにあった歴史や世界史の書籍とは違うと思います。

認知革命

私たちは、どこからきて、どこへいくのか

みなさんも聞いたことがあると思います。ヒト科 ホモ・サピエンス。そう我々の生物名です。およそ7万年前にホモ・サピエンスが文化を形成しはじめました。これが「認知革命」です。

この認知革命が起こるはるか前、38億年前に生物が誕生。600万年前にヒトの祖先が誕生し、今のアフリカで進化。さらにユーラシア大陸で異なる人類種が進化します。

我々ホモ・サピエンスには、兄弟がいたんです。犬で説明すると、ドーベルマンとかチワワみたいに犬という大きなくくりでは一緒なんですけど、種類は全然違いますよね。

よく進化の過程の絵で、一直線上に人類を描いてますが、あれは誤りで異なる種が無数にいたんです。その中には、我々より脳の大きい種、骨格が大きく筋骨隆々の種。無数の種がいたんです。

ここで1つの疑問が生まれますよね。なぜハイスペックではないホモ・サピエンスが生き残っているのか。どうやって繁栄してきたのか。なぜほかの種族に打ち勝てたのか。

その答えが「認知革命」です。

認知革命???初めて聞いたって人もいると思います。僕もそうでした。僕なりの簡単な説明だと、ありもしない事や、ありもしない話を信じる事ができるようになった。これが認知革命。実際に当時(3万2000年前)の遺跡からライオンと人間を融合させた人形がでてきています。

まだピンときていない方。神様を見たことがありますか?

国境を見たことは?絶対に消えない線が引いてありましたか?

紙幣とは色のついた紙です。なぜ価値があると信じているんですか?なぜかほぼ全人類が信じている。

そう、これが「認知革命」なんです。実際に目にしてなくても信じる事ができる。これによって大きなパワーが生まれ、ほかの種族に打ち勝てたんだと書いています。しっかりエビデンスベースで進行していくので説得力があり、とても面白く、わかりやすい!この認知革命ブロックだけでも読む価値ありですよ。

著者はこうも言っています。国だって、国境だって、実際には誰かが勝手に決めたもの、アメリカで生まれればアメリカ人。日本で生まれれば日本人。国家だって、国境だって、宗教だって、ありもしないものをみんな信じている。

僕もほんとにハッとなりました。ありもしないものを信じて、それの違いで国を攻めたり…。

ドラえもんの言葉でこんなものがあります。『どっちも正しいと思ってるよ、戦争なんてそんなものだよ』これですね。

農業革命

農業革命とは、人類の暮らし方が変わった革命。サピエンスが多くの時間と労力を、種をまき、雑草を抜き、水やりに費やし始めた。

僕、個人的にはこの農業革命ブロックが社会人として考えさせられる所でした。農業革命が起き、確かに人類は繁栄できた。ただ人類は豊かになったのか?

農業革命が起きたのは1万2000年前。それまでは、ずっと(250万年)狩猟採集民でした。植物を採集し、動物を狩って食料としてきた。

この狩猟採集民と聞いてみなさんはどんなイメージがありますか?僕は勝手に貧しくて、つねにお腹を空かせてたんじゃないかと思ってました。

著者はこう言っています。この狩猟採集民時代に残っている記録文書など皆無。化石、石器、木や竹、革など、薄弱な証拠から考古学上のデータをとるしかない。でもその小さな点と点をつなぎ合わせ、時代と、DNA、あらゆる視点で読みといています。

僕が驚いたのはここからです。この狩猟採集民時代のサピエンスの化石の頭蓋骨は、今の現代人より大きいということ。つまり現代人より頭が良く、優れていた。

季節がどう進み、どの季節に、どこにベリーがなるのか?どれが食べられるのか?

縄張りの詳しい地図を頭にいれておく必要があった。それぞれの動物の習性も欠かせない。クマの寝床はどこか?腹の空かせたライオンの習性。毒蛇に噛まれた時の対処法。

ほんの数分あれば石で槍の穂先が作れた。さけた衣服の縫い方。

身体的な体の感覚も優れていた。草陰のほんのわずかな音、動きも見逃さない。どこに毒蛇が隠れているか、果物やハチの巣、鳥の巣を見つければ、最小限の労力で俊敏に近づき、音をたてずに獲物をとれた。そして器用な身のこなしを習得していた。

幅広い分野で、深く、多様な知識を持っていた。そう、持っていないと生き残れなかった

狩猟採集民は豊かだった!?

現代人は週40時間から50時間働き、途上国では60~80時間。朝7時ごろに家を出て、空気の汚れた道を通り、条件の悪い工場へ行き、毎日退屈極まりない作業を永遠こなし、家に帰れば、食器を洗ったり、掃除機をかけたり、床をみがいたり。

狩猟採集経済はどうか?例えば朝8時に近くの森や草地をまわり、時折トラから逃げ、キノコをとり、食べられる根を掘り、ウサギを捕まえた。昼に戻り、昼食を作る。そんな調子だから、話をしたり、物語を作ったり、子供と遊ぶ時間はたっぷりあった。狩りは3日に1回で採集時間は3時間ほどだった。

そして食物からは理想的な栄養が得られた。化石の骨格を調べると飢えたり、栄養失調になったりしているものが少なく、背が高くて健康だった。80代まで生きているものもあった。なぜなのか?著者は食物の多様性にあったといっています。

例えば、朝にはさまざまなベリー、キノコを食べ、昼には果物、カタツムリ、カメ、カエルを食べ、夜にはウサギのステーキに野生のタマネギを添えていたかもしれない。

現代時はどうか。決まった単一の作物(炭水化物)に依存している。それらは何十万年にもわたって築いてきた人類の常食とは異なっている。

別の著書『眠れなくなるほど面白い たんぱく質の話』でも人類のエネルギーは、たんぱく質で、とても重要だと書いています。

農業革命によって安定した繁栄を手にいれたが、それと引き換えにしたものが考えさせられました。かなりまとめたので、ぜひ実際に読んでみて下さい。

科学革命

3つ目は、500年前に起きた科学革命。過去500年間に人類の力は驚くべき発展をみせた。

このとき資本主義という考え方も生まれた。著者はブレずに言っています。資本主義も、社会主義も、自由主義も、すべてフィクション(作り話)だと。

1500年前と比べると、人口は14倍、生産量は240倍、エネルギー消費量は115倍。

このブロックも、産業革命、貨幣、グローバル化など、多くの面白い話がありました。そして最後に幸福論。

ここまで進化してきて、著者は、幸せですか?と問いかけてきます。哲学、幸福論をもう一度考えませんか?と。今の幸せとは、人類至上主義の上に成り立っていると。今、幸せと感じている事の多くが、他の生物の犠牲のうえに成立している。

このままでは長くなりそうなので、著者のこの言葉で締めくくりたいと思います。

私たちは、シェーウ˝ェ洞窟に手形を残した名もない狩猟採集民よりも幸せなのだろうか?もしそうでないとすれば、農耕や都市、書記、貨幣制度、帝国、科学、産業などの発達には、いったいどのような意味があったのだろう」これですね!

まとめ

  • ホモ・サピエンスは認知革命により、兄弟種を淘汰して生き残った。
  • 狩猟採集民の豊かな暮らし
  • 農業革命がもたらした種の繁栄と、犠牲。
  • 科学革命、拡大する資本主義、産業の推進力
  • 文明は人間を幸福にしたのか?

上、下、読み終わってお腹いっぱいになった数少ない書籍です。満足度かなり高めです!

そして著者が中東の方なので、ふと思い出したんですけどデーツという食べ物を知っていますか?産地が中東、トルコが多いんですけど、栄養満点のフルーツで日本ではドライフルーツとして販売されています。味は甘くて食べやすい!

栄養素は、食物繊維、マグネシウム、鉄分、カルシウム、カリウムが含まれるスーパーフード。最近、僕もデーツ習慣はじめました。冷やし中華みたいに言いました。ナッツ、特にクルミとの相性抜群です。こちらもぜひお試しを!ではまた!グッバーイ!

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